ただのにっき、カマキリとハチと

ただの日記、カマキリとハチと


今日は悲しいことがあった

いつもおしっこをして集まってくるハチたちを見て育てている気になって我が子のような気持ちで見守っていた

おしっこをしないとテントの中までおねだりに来る

そんな時は少し多めに水を飲んでサプリを飲んで栄養満点のおしっこをする

タイミングが合わなければなんの努力の甲斐もなく臭いだけ

だけど翌日に早起きをすると集団でおしっこから何か栄養を集めてる

小さくて黄色くてニホンミツバチの中のニホンミツバチとも言えるような感じの綺麗なハチたち

基本的においらは虫が嫌いで背筋が凍るほど

だけどミツバチハッチの母への想いはそれを突き抜けて僕をハチ好きに仕立て上げた

手首にも部落済州島民の嫌がらせによる歪んだ蜂のタトゥーがボロボロになりながらも構えてる


日課になりつつある朝のハチ観察だけど今日はいつもとは違った

真ん中に揺れながら座しているのはカマキリ

僕を見ながら舌鼓を打ちつつ鎌の手入れをしている

揺れる枝のようなふりをしながら我がハチたちを狙ってる

しかし僕はそれを許さない

枝でつついて川まで連れて行き、水責めをしてみてハリガネムシが入っていないかを確認した

だけどとても油断したんだ

いや、カマキリが獲物を捕らえる瞬間を見てみたいと心のどこかで思っていた

そのまま川に置き去りにした


仮眠を取って起きてみるとカマキリが帰ってきていた

朝と同じようにおしっこをしてハチ達が栄養を集めやすいようにした木の枝たちの真ん中で揺れながら、プレデターみたいな口で鎌の手入れをしている

するとカマキリのいる下の枝から小さなミツバチが上がってきた

すかさず棒でカマキリをつついた

苛立ちを隠せないカマキリ、何も気づいていないミツバチ

いつもの僕が棒を持って枝をつついているだけ


ほんの少しの油断だった

すぐにカマキリをどこかにやるべきだった

生き物を殺したくないなんて言い訳にしか過ぎない


違うミツバチが下から飛んで来て、僕の方を正面に向いているカマキリの前を通りすぎて左上に抜けていった

既にタイミングは遅れていた

だけどなぜか動けなかった


ミツバチの後ろから右のカマで一瞬の内にミツバチはハサミ潰されプレデターのような口に運ばれバリバリと音を立てながら貪り尽くされた

ただ呆然と見ていた

鎌で捕らえられた瞬間にすでに絶命しているようだったなんて言い訳になるのだろうか

悲しみと同時に自分に怒りが込み上げた

なんで動かなかったのか

今でも理由はわからない


そしてカマキリに復讐をした

川に連れて行き溺れさせた

何度もヘロヘロになるまで

そして帰ってこれないように遠くに連れて行こうとしたんだけどなんだか怒りが収まらない

思わず棒に付いているカマキリを振り払うように床に叩きつけた

すると少しだけど腹部が裂けたようだった


彼はただ生きる為に必要なことをしただけなのに、、、雄か雌かは知らない


だからこう思うことにした

帰ってくるまでに多くのハチを食べていたはずだ

一匹じゃない、多くのハチの敵討ちだ

数の力により死刑が妥当


弱っていたカマキリはヘロヘロになりながら木を登り、姿を消した


これと同じことがグローバリズムと名前を変えて各国の国民に降りかかっている

貧困層に生まれてしまい犯罪や民族差別の渦の中で苦しんでいる人々がいる

歴史認識やコンプレックスの受け皿となるために奴隷として囲われている人々がいる

その人々の事には目も向けず、遠く異国の一日何円で生活できる人々をたくさん助けるのだからグローバリズムは正義で差別のない自由の証だと正当性を担保する


全く同感だ

僕も同じように自分を慰めた

だからわかることがある

どれだけ整合性の取れた論理を構築しても、都合の良い言い訳に逃げている自分を騙しているだけだ

悪を受け入れない人間は自分が悪業を行っていない純白の正義の使者だと思いたがる

悪を受け入れているフリをする人間は罪悪感から目を背ける

そして生まれる盲目の存在に目を向けず小さな分岐の選択を重ねる

やがてその盲目ありきの選択の積み重ねは自らを見誤る原因となり何処かに降りかかる


自らの悪を受け入れろ

さらなる悪が待ち構えてる

今とても悲しい